菅谷梨沙子の消失  その3

佐紀は混乱しています。
とりあえず、素数を数えて落ち着こうとしています。


佐紀「1、2、3、5、7、11、13・・・」


ヲタ(桃)「1は素数じゃないよ。」


桃子(仮)の言葉も佐紀には届いていません。
友理奈は一人、こっくりさんをしています。


雅「一人じゃこっくりさんはできないよ!」


雅ちゃんが言うやいなや、10円玉が動き始めました。
ファミレスのお姉さんは、異様なグループを前に怯えています。


そこに、Berryz工房1番の元気娘、千奈美が遅れて入ってきました。
本当は上で書き忘れてただけですが、佐紀ちゃんと一緒にいたからとか、その辺は脳内補完しといて下さい。


徳「遅れてごめーん!えーと、私はおーどんね。っていうか、何でここにヲタがいるの?って、その小指、まさか桃!?」


そう、Berryz工房のメンバーがこのヲタを桃子だと分かったのは、常に立っている小指のお陰でした。
みんな半信半疑ながらも、外山恒一政見放送で見せたファックユーな中指並にそそり立った小指を見ると、それが桃子だということは否定できなくなるのでした。



桃子(仮)の話はこうでした。
梨沙子茉麻と3人で東京タワーに行くと、急に頭の中で声が・・・


「この世界を救って。伝説のマリックナイトたちよ!」


そして、気がつくと異世界にいて、オバサンやガキんちょを倒しに倒しまくり、とうとう魔神を蘇らせる、というところまできたという話をしました。


ヲタ(桃)「でもね、私途中で怖くなっちゃって・・・だって魔神なんて操れるわけないじゃない?それで元の世界に戻りたいって強く願ったの。そしたら戻ってこれたんだけど・・・」


桃子(仮)は続けました。


ヲタ(桃)「強く願ったから帰ってこれたんだと思うんだけど、やっぱりどこか歪みが生まれたみたいで、こんな姿になっちゃったの(泣)」


泣き崩れる桃子(仮)を見ながら、千奈美は考えていました。


徳「ねぇ、やっぱりここは異世界に行くっきゃないんじゃない?」


雅「でも、そんなのどうやって?」


徳「みや、異世界と言えば鏡よ。きっと鏡の中の自分とじゃんけんして、勝ったら異世界に行けるに違いないわ!」


友理奈「『む』『ら』『さ』『き』『の』『か』『が』『み』だって」


こっくりさんをしていた友理奈が言いました。


徳「紫の鏡って有名だよね!キャプテンの紫だったよね。ちょっと借りるよ。」


千奈美素数を数えている佐紀の鞄から、紫の鏡を取り出しました。
雅ちゃんはどうしてそんな特殊アイテムが普通に出てくるのだろうと思いましたが、まぁいいやと思って目の前のステーキ(1300g)をほおばりました。

ファミレスのお姉さんは、素数を数え続ける少女、1人でこっくりさんをしている少女、泣き崩れているヲタ、それに鏡とじゃんけんをしている少女と何事もないかのように黙々と巨大ステーキをほおばる美少女が加わって、ますます異常になるグループを見て眩暈がしました。